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- + フリーウェア 通信ソフト 「ムーンライト」 +
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-
- 第1章 はじめに
-
- このドキュメントはムーンライト(以後MLとする)の主要機能を説明したも
- ので、すでにML1.80をお使いのユーザーはML190.DOCにバージョン1.80から
- の変更点のみを書いておきましたのでそちらをご利用ください。また、自動で運
- 転するためのAUTファイルの説明、書き方はAUTO.DOCの方を参照してください。
-
-
- MLはバージョン1.0から一貫して「画面はシンプルに、処理は高速に、サ
- イズはコンパクトに」を目指して作っています。このためエディタは組み込んで
- いませんしアクセサリ的な機能は一切備えていません、MLにない機能は子プロ
- セスや常駐ソフトで補ってください。そのぶんこと通信に関しては柔軟な操作が
- 出来るよう工夫したつもりです。
-
- いつもそうなのですがパソコンネットからのバグ連絡には本当に助かっており
- ます。バージョンが上がるにつれてMLの品質が高くなっているのはMLユーザ
- ーのおかげだと感謝しております。先日などはある方から漢字コードのバグを指
- 摘されたのですが、ついでに漢字コードの歴史的な背景なども教えていただきま
- した。浅学の身には大変参考になりました。
-
- MLがあなたの通信の世界を広げる手助けができることを望んで手短ですが序
- 章といたします。
-
-
-
- 第2章 動作環境
-
- 1.マシン
-
- MLにはPC-9801シリーズ(PC-98LT、PC-286を含む)用
- と富士通FMRシリーズ用の2種類があります。
- このソフトでメモリを約150Kバイト消費します(逆スクロール用メモリを
- 32Kbyteに設定した場合)。
-
- 2.OS
-
- MS-DOS Ver2.11以上が必要です。
-
- 3.漢字
-
- 漢字はシフトJIS、NECJIS、旧JIS、新JISの4種類が使えます。
- 自動選択はしません。
-
- 4.エスケープシーケンス
-
- PC-9801用(FMRの場合はFMR用)MS-DOSのエスケープシー
- ケンス(ANSIのサブセット)をサポートしています。
-
-
-
- 第3章 起動方法
-
- MLの起動は次の書式によります。
-
- ML [起動スイッチ] [オートファイル名]
-
- 起動スイッチ、オートファイル名は省略可能です。起動スイッチは半角の'-'で
- 始まり'L'、'S'、'B'、'M'が指定可能です。
-
- -L[画面の行数]
- 画面の行数は、20か25を指定して下さい。
-
- -S[RS232初期化パラメータ]
- 指定できるパラメータは、「コマンドの種類」の「スピード」の項で説明しま
- す。複数のパラメータを指定する場合は""で括ってください。
- 例:-S"9600 B-7 P-E X-OFF"
-
- -B[逆スクロールバッファサイズ]
- 逆スクロールバッファのサイズをKバイト単位で指定します。指定できるメモ
- リ容量は個々の環境によります(あまり大きな値を指定すると子プロセスが起動
- できなくかもしれません)。ゼロを指定すると逆スクロール機能は無効となりま
- す。
-
- -M
- コンソール入出力をMS-DOSのシステムコールで行います。このスイッチ
- で画面表示はだいぶ遅くなります。
- PDSのXSCRIPTを利用する場合はこのスイッチが必要です。その場合
- は-B0スイッチで逆スクロールを無効にしたほうがよいでしょう。また常駐ソフト
- と相性が悪い場合もこのスイッチで改善されることがあるかもしれません。
-
- 指定のしかたが間違っている場合は、そのスイッチは無効になります(この場
- 合、エラーメッセージは出ない)。同じスイッチで複数指定した場合、後者が有
- 効です。これはオートファイルにもいえます。
-
- 具体的には、
-
- A>ML -L20 -S2400 -B128 MIX
-
- のように使います。
- MLが起動すると起動スイッチに従って設定し、通信環境を設定するためのオ
- ートファイル ML.AUT を探し、あれば実行します(オートファイルの詳細は AUT
- O.DOC を参照)。そしてコマンドラインで指定したオートファイルを実行します。
-
- 上の例では、画面を20行表示にして、スピードを2400BPS、逆スクロ
- ールバッファは128Kバイト、一連の作業終了後オートファイル MIX.AUT を実
- 行する、となります。
- スイッチを指定しない場合は、画面の行数は25行、通信パラメータは、12
- 00bps、8ビット長、1ストップビット、パリティビットなし、Xフロー制
- 御あり、逆スクロールバッファは32Kバイトに設定して起動します。
-
-
-
- 第4章 モード
-
- ターミナルモード、コマンド入力モード、逆スクロールモードがあります。各
- モードの行き来は下図のようになっています。
-
-
- 逆スクロールモード
-
- ^ |
- ↑キー | | ESC or F10
- or | | or
- ROLL | | リターン
- DOWN| |
- | v CTRL+A
- ------>
- ターミナルモード <------ コマンドモード --
- ^ | ^ esc |
- | | | |
- | | ------------------------------------
- | |↓キー 終了
- | |
- | v
-
- ステップ受信
- (解除は何か別のキー)
-
-
-
- 1.タ-ミナルモード
-
- ターミナルモードは、キーボードに打たれた文字を送信し、受信した文字をデ
- ィスプレイに表示します。通信ソフトの基本機能です。
- 受信中にカーソル移動キー ↓ を押せば1行受信した時点で表示がストップ
- します。順次 ↓ を押して行けば1行ずつ読みながら受信出来ます(ステップ
- 受信)。ただしこの機能は、Xフロー制御やCTS/RTSフロー制御を行って
- いる通信以外は使うべきではありません(ほとんどの無手順BBSはXフローあ
- りですから問題ないでしょうが)。通常に戻すには、何か別のキーを押せば戻り
- ます。このステップ受信は次に説明するコマンドモード、逆スクロールモードに
- 何ら制限を与えるものではありません。
-
- 2.コマンド入力モード
-
- コマンド入力モードは、アップロードしたりダウンロードする時に使います。
- オンライン中でも、CTRL+A(CTRLキーを押しながらAを押す)を押す
- ことにより、通信を一時中断してコマンド入力モードに入ります。入力途中で作
- 業を中断する時は、ESCキーまたはファンクションキーを押せばまたターミナ
- ルモードに戻ります。コマンドの種類は、別の項で説明します。
-
- 3.逆スクロールモード
-
- 逆スクロールモードは、画面から消えていった古い情報を呼び戻す機能です。
- このためのバッファ容量は、32Kバイト(起動時Bスイッチで指定でき、Iコ
- マンドで変更可)です。
- カーソル移動キーの↑かROOL_DOWNを押すことにより、ターミナルモ
- ードからこのモードに入ります。ESCもしくはF10でターミナルモードへ戻
- ります。
-
- 3.1 カーソル移動
-
- カーソル移動キー↑または^E 上(古い方)へ1行移動します。
- カーソル移動キー↓または^X 下(新しい方)へ1行移動します。
- ROOL_DOWNまたは^R 上へ10行移動します。
- ROOL_UP または^C 下へ10行移動します。
- カーソル移動キー->または^D 右へ1文字移動します。
- カーソル移動キー<-または^S 左へ1文字移動します。
-
- (注)逆スクロールモードでの1行とは改行文字と次の改行文字で挟まれた文字
- 列を言い、その長さは80文字に収まるとは限りません。
-
- 3.2 切り貼り
-
- このスクロールバッファの一部を行単位でプリンタに印字したり、ファイルに
- コピーしたり、送信することが可能です。
- プリンタへ印字するにも、ファイルへ切り貼りするにも範囲を決めなければい
- けません。まずカーソルを切り貼りの最初(もしくは最後)へもっていき、ファ
- ンクションキーのF1(ファンクションキーの1番、FMRの場合はPF1)を
- 押し(範囲と表示)、カーソルを移動させれば範囲が水色の反転表示に変わるの
- で、終了場所(もしくは開始場所)まできたらF2(プリンタに印字)かF3(
- ファイルへ書き込む)もしくは@キー(@キーボードマクロへコピー)を押せば
- 実行されます(F1を押せば選択はキャンセルされます)。また、この時リター
- ンキーを押せば直ちにターミナルモードに戻り、切り取った範囲をキー入力した
- ようにみせかけます(画面分割(FMRではチャットモード)している場合は入力とし
- て蓄えますが、そうでなければ送信します)。
- また、範囲指定後に@キーでキーボードマクロ(後で説明します)に範囲がコピ
- ーされます。
-
- プリンタ印字中はF2の表示は印字と替わります。印字中でも中断したい場合
- は再度F2キーを押せば、プリンタ印字は止まります(プリンタバッファに入っ
- ている場合にはすぐには止まらない)。F3の場合も同様です。
-
- 範囲指定後 -> F1 範囲指定解除
- -> F2 プリンタ印字
- -> F3 ファイル書き込み
- -> @ キーボードマクロ(@キーへコピー)
- -> リターン 送信
-
- 3.3 検索
-
- F7で検索文字の登録、F8で上方向検索、F9で下方向検索となります。
- 検索途中で何かキーを押せば検索は中止されます。
-
- 3.4 その他
-
- F4で逆スクロールバッファの先頭へジャンプ、F5で上スクロール、F6で
- 下スクロールします。
-
-
-
- 第5章 コマンドの種類
-
- CTRL+A(CTRLキーを押しながらAキーを押す。以後^Aとする)を押
- すことにより、通信を一時中断してコマンド入力モードに入ります。そして、次
- に入力する1字により機能割りされています。
- よく使うと思われるコマンドは、ファンクションキーの1から10に割り付け
- ています。
- 大文字、小文字は区別しません。
- F1からF6までは、その機能が実施されている時はファンクションキーの表
- 示が漢字に変わります。
-
- Printer 送られてきた文字をプリンターに出力します。
- Download ダウンロード (F2)
- Upload アップロード (F3)
- Xmodemdw 通信プロトコルでのダウンロード (F4)
- Xmodemup 通信プロトコルでのアップロード (F5)
- Auto オートファイルの実行 (F6)
- H(発信) モデムよりダイアル (F7)
- Speed 通信パラメータの設定 (F8)
- Ms-dos MS-DOSのコマンドを実行 (F9)
- Quit MLの終了 (F10)
- 0 MLの強制終了(AUTから利用可能)
- Kanji 漢字コードの選択
- pRotocol ファイル転送プロトコルを選択する
- 2line 画面をスクロール領域とキー入力領域に分割する
- (FMRではチャットモード)
- Fkey ファンクションキーに文字列を設定する
- Echo ローカルエコーの切り替え
- Code キャリッジリターン押下時、送出コードの切り替え
- V モデムの発信コマンドを設定する
- Off 回線切断、実際はDTRを1秒間OFFにする
- = RS-232Cのステータス表示
- ] RS-232Cをローカルループバックにする(98のみ)
- Break ブレーク信号の送出
- Test 送受信キャラクタの16進モニタ
- Line アップロード時、行間ウェイトを入れる、
- または指定キャラクタが送られるまで1行送信を遅延する
- Init 画面をクリアし、逆スクロールバッファを初期化する
- (Ixと指定すればxKバイトに逆スクロールバッファを変更)
- Z ダウンロード時、既存ファイルがある場合の書き込みモード
- ? コマンドの簡単な説明
-
- コマンド入力は、例えば漢字選択する場合は"K"とすれば、次にシステムで現在
- の状況を表示して、新しい設定を求めてきます。この様にシステムと対話しなが
- ら確実に操作できます(対話形式)。
- また別の入力方法として、個々の入力をスペースで区切り一度に入力すること
- が出来ます(コマンド形式)。SIFTーJISを選択したいのであれば、"K S
- "と入力すれば設定完了です。"ABC.XYZ"と言うファイルをアップロードするので
- あれば、"U ABC.XYZ"とします。
-
- 以下で各コマンドを説明します。括弧内に^A,P とあるのは、CTRL-Aを押してP
- と入力する意味です。
-
- 1.プリンタ印字( ^A,P )
-
- 受信した文字をプリンタに送ります。
- プリンターが印字可能な状態になっていなければなりません。具体的には、電
- 源が入り、SET状態(ONLINE状態)になっていること。特にSETにな
- っていないと、キー入力を受け付けなくなることがあります(SET状態にする
- ことにより回復します)。
- MS-DOSのバージョンによってはプリンタデバイスドライバ(PRINT.
- SYS)がCONFIG.SYSに登録されている必要があります。MS-DO
- SのシステムディスクにPRINT.SYSが入っていれば登録が必要です。
- このコマンドはトグルスイッチになっています。(1回押せばON、再度押せ
- ばOFF)
-
- 2.ダウンロード( ^A,D or F2 )
-
- 受信した文字を指定したファイルに書きます。
- 指定したファイル名が既に存在するときは、上書(オーバーライト)、追加(
- アペンド)、保存(バックアップ)にするか聞いてきます(後述のZコマンドで
- 予め設定してある場合はそのモードで書き込みます)。保存を選ぶと旧ファイル
- の拡張子を".OLD"にしてからダウンロードに入ります。
- ただし、ダウンロード中に再度ファイル名を指定してこのコマンドを実行した
- 場合は旧ファイルのダウンロードを終了させ、新ファイルにダウンロードを開始
- します。これは主に自動実行ファイルで使われます(AUTO.DOCを参照)。
- トグルスイッチになっています(再度コマンドを実行すればダウンロードを中
- 止します)。
-
- 3.アップロード( ^A,U or F3 )
-
- あらかじめファイルに作っていたデータを送信します。
- トグルスイッチになっています。
-
- * 1、2、3はトグルスイッチになっている為、次のようなことが可能です。
-
-
- ダウンロードしながらオートファイル(他のコマンドでもよい)を実行する。
-
- ダウンロードしながらプリンター印字する。
- アップロードしながらダウンロードしながらプリンター印字する。など。
-
- 4、5.プロトコル転送( ^A,X or F4 or F5 )
-
- プロトコル転送とは、送信側と受信側が合図を送りながらファイルを転送する
- 方式です。このプロトコル転送によりファイル形式を選ばない(プログラム、画
- 像データ、文字データ等)、エラーフリー(エラーがない)の通信が出来ます。
- プログラム(フリーソフトウェア等)とか重要なファイルの転送等、エラーがあ
- っては困るときに使います。当然、通信相手に同種のプロトコルの機能がなけれ
- ばなりません。
- MLは複数のプロトコルを用意している為、転送前にどのプロトコルを使うか
- 指示しておかなければなりません(Rコマンドで設定、初期はXMODEM(SUM)になっ
- ています)。
-
- 実際の使い方は(XMODEMを例にとると)、まず相手側がXMODEMの
- 送信、または受信になったのを確認して自分側を設定します。この場合あわてて
- 設定する必要はありません。両方が準備出来ると自動的に両者間で転送を開始し
- ます。エラー補正機能が有りますから、多少通信状態が悪くても正常に行われる
- はずです。致命的なトラブルがあった場合は、異常終了となります。
- 送受信とも途中中止させるときは、ESCキーかそのファンクションキーを押
- して下さい。
- プロトコル受信では受信ファイルが既に存在する場合は確認の為のメッセージ
- が出ますが、YMODEM(G、BAT)での受信時は既存ファイルが存在して
- いても無条件に上書きされます。YMODEM(G)-BATは受信のみ有効で
- 送信はBATなしと同等です。
-
- 通常のプロトコルの他にオプションとしてフライングモードを設けました。YMODEM-G(BATを含
- む)以外で有効です。元になったフライングXMODEMはNIFTY-ServeのPhinloda氏が考案
- したもので、MNPモデムではエラーが発生しないという特性を利用し従来XMODEMフ
- ゚ロトコル内で行っていたエラー検出、再送を省いたものです。これによりMNPとXMOD
- EMの相性の悪さは劇的に改善されることになります(転送時間の節約になる)。
-
-
- (参考)MLのフライングオプションは次の点でオリジナルとは違っています。フライングXMODEM
- では積極的にエラー検出、再送を省いていますがMLではエラー検出をおこなって万が
- 一に備えています。もしエラーが発生すれば再送不可能の状態になりアボートします。
- MNPのエラーフリーを盲目的に信じるより一応のチェックはおこなっておくほうが心理的
- にも良いであろうという考えです(MNPをうっかり外してしまい、そのまま転
- 送が始まってしまう場合だってあるかもしれません)。エラー検出をおこなうことに
- よる速度低下はありません。
-
- 6.オートファイル( ^A,A or F6 )
-
- オートファイルを実行する機能です。オートログイン、オートタイプはもちろ
- んさらに高度な自動実行が出来るようになっています。
- オートファイルの機能、書き方は別ドキュメントファイル「AUTO.DOC」
- で説明します。
-
- 7.発信(ダイアル)( ^A,H or F7 )
-
- 電話番号を指定してモデムにダイアルさせます。モデムにより発信コマンドに
- 違いがあるので、Vコマンドで事前に設定してください。デフォルトではATコ
- マンドの「ATD」に設定されています。
- このコマンドはRS232-CポートのCD信号がOFFで、CTS信号がO
- Nの場合でなければ使用できません。具体的には、モデムの電源が入っていて、
- 回線が接続になっていない状態です。ただしモデムのディップスイッチによって
- これらの信号が常時ONになっている場合もありますので、そのときは設定替え
- してください。
-
- 8.スピード( ^A,S or F8 )
-
- 次のような設定が可能です。
-
- 1)ボーレート(bit/s)
- 300
- 1200
- 2400
- 4800
- 9600
- 19200
- 38400
-
- (注1)FMRは38400は出来ません
- (注2)98ではクロックが8Mhz系の場合は9600bpsが限度となりま
- す。PC-286NOTEexecutiveは5Mhzでも19200bpsは設定できませんでし
- たので機種とクロックの組み合わせによっては設定出来たり出来なかったりする
- と思います。F8で「設定できません」と断われれたらクロックを切り換えてみ
- てください。
-
- 2)Xフロー
- X-ON (Xフローを行う)
- X-OFF (Xフローを行わない)
-
- 3)ビット数
- B-7
- B-8
-
- 4)パリティー
- P-E (偶数パリティー)
- P-O (奇数パリティー)
- P-N (パリティーなし)
-
- 5)ストップビット
- S-1 (1ストップビット)
- S-1.5 (1.5ストップビット)(9801のみ)
- S-2 (2ストップビット)
-
- 6)CTS/RTSフロ-(9801のみ)
- C-ON (CTS/RTSフロー制御を行う)
- C-OFF (CTS/RTSフロー制御を行わない)
-
- CTS/RTSのフロー制御はMNPモデムの場合に効果的です。MNPモデ
- ムは速度固定モードで使うと圧縮効果により場合によっては2倍近くの効率を発
- 揮することがあるようです。ただ、モデム自体に相当量のバッファをもっている
- ためXフロー制御では反応が遅くなり受信バッファのオーバーフローが発生する
- 可能性があります。このためMNPモデムではCTS/RTSの信号線でフロー
- 制御を行うのが一般的です。
- Xフロー制御もONになった場合はどちらも有効になります。FMRではこの
- 設定ができません、そのかわり多めの受信バッファ(5Kバイト)を用意してオ
- ーバーフローしにくいようにしています。
-
- 9.MS-DOSコマンドの実行( ^A,M or ^A,! or F9 )
-
- オンライン中にディレクトリを表示したり、エディタを起動して送信するファ
- イルを編集することが出来ます。この機能を使うには、command.com が起動でき
- る状態になっていることが必要です。具体的にはカレントディレクトリにCOM
- MAND.COMがあるか、CONFIG.SYSのSHELL指定で、COM
- MAND.COMのあるドライブを指定しておかなければなりません。
- MS-DOSコマンドを実行中でも回線は切れることはありません。(あまり長くホ
- ストに対して何も指示を出さないと、ホスト側から回線を切られることがあるの
- で注意が必要です)
- MコマンドはDOSコマンド実行後にキー入力によりターミナルモードに戻り
- ますが、!コマンドはキー入力を要求しません(自動運転に有効でしょう)。
- COMMAND.COMを起動することにより連続的にMS-DOSコマンド
- を起動できます。この場合は、EXITコマンドによりターミナルに戻ります。
-
-
- 10.MLの終了( ^A,Q or F10 )
-
- 相手からキャリアが来ている(回線がつながっている)時は、終了していいか
- どうか聞いてきます。キャリアがなければ、無条件に終了します。モデムのディ
- ップスイッチによっては回線がつながっていなくてもキャリアがONになってい
- る場合があります。
-
- 11.漢字( ^A,K )
-
- 使用できる漢字コードは、シフトJIS、NECJIS、旧JIS,新JIS、
- の4種類です。
- 設定方法は各漢字に振ってある番号か、漢字コード名を入力します。
-
- 12.画面分割( ^A,2 )
-
- 入力行を画面下に3行(238文字)確保します。したがって、スクロール領
- 域はそのぶん減ります。平常時はキーが押されればその文字が送信されていまし
- たが、このコマンドを実行後はリターンキーが押されるまで文字をたくわえてお
- いて、リターンが押されると、一気に吐き出します。(画面スクロールと行編集
- が並行して機能します)
- この機能により先行入力が可能(受信中でもキーを打つことができる)になり、
- チャットに効果を発揮すると思われます。
- トグルスイッチとなっており、再度このコマンドを実行することにより解除され
- ます。
-
- (注意)
- ある種のESCシーケンスを受信した時、一部画面が乱れます。その場合は分
- 割を解除した方がいいでしょう。
-
- FMRではこのコマンドはチャットモード(呼び名が適当どうかはわかりませ
- んが)として機能します。平常は何の変化もないのですが、キーが入力されると
- 画面下に3行分のウインドウが表れてキー入力が蓄えられ、リターンキーが押さ
- れれば蓄えられた1行を一気に吐き出し、ウインドウは消去します。行入力途中
- にキャンセルしたい場合はESCキーを押してください。
-
- 12.ファンクションキーの設定( ^A,F )
-
- 設定出来るのは、F1からF20(PC-98はSHIFT+F10)までで
- す。"/MyID/k.yoshi"のようにすると//内の"MyID"が最下行の画面表示で実際の登
- 録は"k.yoshi"となります。//がなければ、登録文字=表示文字となります。
- ML起動時はF10までを使っていますので、F11からF20を使うのがよ
- いでしょう。
-
- (参考)F1からF10もユーザー好みに応じて入れ替え可能です。詳しくはAU
- TO.DOC参照のこと。
-
- 13.アップロード時、行間ウェイトを入れる( ^A,L )
-
- 送信タイミングを特定文字を送ることで指定してくるBBS、反応の遅いBB
- S、DDX-TP等のパケット網を介してのアクセスの場合は、アップロードす
- る場合に行間にある程度のウェイトを入れる必要があります。
- 設定方法は、1から100迄の数字を指定すればそれぞれ100mSから10
- 秒までの行間ウェイトをとり、任意の一文字(例えば > )を指定すればその文字
- が送られて来るまで待って一行送信となります。'Z'を指定すると画面表示抑止と
- して機能します。これは高速通信時、画面表示に足を引っ張られて送信のスルー
- プットが落ちるのを防ぎます。あくまでアップロードしているときに限り表示が
- ないだけで、アップロードが完了すればもとに戻ります。画面表示だけが抑止さ
- れるわけで他の機能(逆スクロールバッファへの書き込み等)は正常に働いてい
- ます。
- 一文字の他に"CR"、"LF"が指定可能で、それぞれ復帰コード(16進で'0D')
- 改行コード(16進で'0A')となります。
-
-
- 14.プロトコルの選択( ^A,R )
-
- MLで備えるプロトコルの種類は、XMODEM-SUM、XMODEM-CRC、VAN-XMODEM、XM
- ODEM-1K、YMODEM、YMODEM(BAT)、YMODEM-G、YMODEM-G(BAT)の8種類です。VAN-X
- MODEMはXMODEM(SUM)と同じですが、PC-VANのようなVAN網を通した回線
- を考慮してタイムアウト時間を長めに取ってあります。
- 設定方法は各プロトコルに振ってあるナンバーか、フルスペルのプロトコル名
- を入力します。デフォルトはXMODEM(SUM)になっています。
-
- 15.モデムの発信コマンドを設定する( ^A,V )
-
- ダイアルする際、モデムに電話番号に先だって送るダイアルコマンドを設定し
- ます。ATモデムであれば"ATD"もしくは"ATDP"になります。ゼロ発信の回線の場
- 合には"ATD0,,"のようにすればよいでしょう(詳しくはモデムのマニュアルを見
- て下さい)。デフォルトでは"ATD"となっています。
-
- 16.ファイルモードの事前設定( ^A,Z )
-
- MLではダウンロードの際、指定したファイルが既に存在する場合にはオーバ
- ーライト(上書き)、アペンド(追加)、バックアップ(保存)の3種類から選
- べるようになっていますが、このコマンドを実行することによりモードを暗黙の
- うちに決める事ができます。一度設定すると、MLを終了もしくは再度このコマ
- ンドで設定替えするまで有効です。
-
- 17.回線を切断する( ^A,O )
-
- ほとんどのBBSはログアウトの際、BBSホスト側から回線を切断してくれ
- ますが、ホスト側は何もせずユーザー側で回線切断操作をしなければならない場
- 合が希にあります。
- このコマンドはRS-232CポートのDTR信号を1秒間断にして接続され
- ている回線を切断します。モデムの設定によってはDTR信号が落ちても回線切
- 断しない場合があるので、その場合はモデム付属のマニュアルで確認し、ディッ
- プスイッチ等の設定替えをしてください。
-
- 18.逆スクロールバッファの初期化( ^A,I )
-
- 逆スクロールバッファに入っている内容および画面表示をクリアします。Iに
- 続けて数字を入れれば、例えば'I64'とすれば64Kバイトの逆スクロールバッフ
- ァを確保します。
-
- 19.ローカルループバック( ^A,] )
-
- 通信がループバック状態になります。これはRS-232Cに機器(モデム等)が接続してい
- ない状態でも可能です。この状態から平常に戻るには再度このコマンドを実行します。
-
-
- (釈明)FMR用の解析マニュアルにはBIOSでローカルループバックが可能とあった
- のでこの機能を付加したのですが、その後マニュアルの誤記とわかりFMR30
- で、かつ内蔵モデム以外でのみ可能とわかりました。というわけで98のみのサ
- ポートとなりました。
-
-
- 第6章 キーボードマクロ
-
- キーボードマクロ(以後キーマクロ)とは一連のキー入力をマクロとして記憶し、必要な時にそ
- のマクロを呼び出すもので、少ないキーストローク数で定形の作業を行うことができます。
- 記憶出来る文字数は79文字です。
- MLでのキーマクロは次の3種類の操作があります。
-
- マクロ定義開始、終了 ^@(CTRLキーを押しながら@を押す、の意味)
- @マクロのコピー ^A,@
- マクロ呼び出し ^_(またはF1),@..Z
-
- 例:ブレーク信号送信をキーマクロで実現
- ^@,^A,B[リターン],^@
-
- (カンマは見やすくするため便宜上入れているだけで実際は入力しません)
- これで次回からはF1,@でブレーク信号が送信できます。またこの@マクロをBキーにコピーす
- るには、
- ^A,@,B
-
- とします。これによりF1,Bでブレーク信号となり、@キーは次のマクロ定義に使えます(新
- たなマクロ定義は以前の@マクロを消去します)。
-
- 例:エディタ(ED)を起動します。
- ^@,F9,ED[リターン],^@
-
- また、キーマクロ用のバッファはAUTファイルから操作できるよう27個の文字列変
- 数内に取っています。操作の方法はAUTO.DOCを参照してください。
- マクロ定義、マクロ実行ともに逆スクロール中でも有効です。
-
-
- 第7章 環境変数
-
- ML内では次の環境変数を参照しています。環境変数は必ず設定しなければい
- けないというものではありませんが、設定すると便利な場合があります。ML起
- 動前にMS-DOSのSETコマンドで行ないます。
-
- 1.TERM
-
- オートファイルのあるパス名を指定して下さい。
-
- A>SET TERM=B:\BBS
-
- のように設定すれば、オートファイルをパスなしで指定した場合、カレントディ
- レクトリにないときはB:¥BBSにあるものとして処理します(オートファイ
- ルを絶対パス、相対パス付きで指定すれば、その指定が優先されます)。
-
- 2.BBSLOG
-
- ダウンロードファイル(XMODEM等のプロトコル受信を含む)、逆スクロ
- ールで切り取ったログファイルを格納するディレクトリを指定します。また、ア
- ップロードファイルがカレントディレクトリにない時は、このディレクトリを捜
- します。
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- A>SET BBSLOG=B:\BBS\LOG
-
- のように設定し、特別にドライブ名、パス名を指定しなければ、ファイルは B
- :¥BBS¥LOG に作られ、またはこのディレクトリから読み出されます。
- (ドライブ名もしくはパス名もしくはその両方を指定すれば、その指定が優先さ
- れます)
-
- 3.MLPORT(FMRのみ)
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- FMRは内蔵モデム、拡張ポート等パソコン1台に複数のモデムが接続できる
- ようになっています。この環境変数を設定すれば暗黙に通信ポートを指定できま
- す。
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- A>SET MLPORT=3
-
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- 第8章 最後に
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- MLは無料で使うことのできるフリーウェアと言われる形態の通信ソフトです。
- 転載、再配布は自由ですが、必要なファイルを全て含んだ形で行なうようお願い
- します。
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- 気が付いたこと、改善して欲しいこと等がありましたら連絡ください。質問、
- 要望は下記IDまでメールいただければ対応したいと思います。
-
- 尚、ML使用に於て発生した損害等については一切の責任を負いません。
-
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- シーガル-NET ID K.YOSAAG
- 日経MIX ID k.yoshi
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- 吉岡まで
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- (シーガルNETは無料のBBSで
-
- TEL 0178-22-4466
- DDX 0602445107
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- 300/1200/2400Bps(MNP5)
- BIT-8、P-NONE、STOP-1
- GUESTアクセス可
-
- となっています。
- GUESTの場合は「事務局への連絡」へ書き込めば私のと
- ころに回ってきます。 )
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